針金とコピー用紙
自由課題製作
基本的なデッサン力(形態の把握、材質感の描写、構図・構成、など)が、身についていると思われる人を対象としたコースです。
2つの課題傾向(ルーム)を柱として、それぞれのモチーフ設定の自由度を高めた内容になっています。
じっくりと制作していただき、より充実した作品制作に向けてのアドバイスをおこなっていきます。
課題グループ
1:静物課題…卓上モチーフ(自由に設定、室内風景(部屋の片隅など))
2:人物課題…手を描く、自画像を描く、モデルを描く
|
展開05-A-1
針金とコピー用紙
針金(太目のもの、50cm程度)とコピー用紙などの白上質紙(A3)を材料として自由に造形・構成し、それをモチーフとしてデッサンします。それぞれの材料の特性をふまえて、ユニークなモチーフ構成と視点など、制作者の感性を活かした描写を試みてください。
|
2010/03/31 00:00までメンテナンスのため、投稿できません。
投稿者:golgo13 |
投稿日:2007/05/17 |

画像を拡大する |
針金とコピー用紙では初めての投稿となります。よろしくお願いします。 |
 |
講評日:2007/05/20 |
シンプルな構成ながら見ごたえのある秀作です。
軽く折り皺をつけて、緩やかにボリュームのつけられたコピー用紙に、無作為に引っ張り伸ばしたような柔らかめの針金をちょこんと乗せただけ・・・といった感じのさりげないモチ−フ設定ですが、そのさりげなさの中に的確に見せ場が作られており、正確な観察力とレベルの高い描写力によってそれが大変魅力的に表現されています。すばらしい作品だと思います。
白いコピー用紙のデリケートなトーンと薄手の紙特有の質感、微妙に裏側が透けて見えそうな感じまで美しく描写されています。また、その紙の白さとテーブル面のバランスも絶妙で、紙の輪郭とテーブルの差がほとんどなくなってしまうように見える部分を作りながら、さりげなくコーナーの浮きあがりで出来る微かな影を利用して形を引き締めています。ニクイところです。さらに紙との境目が消えるかのような部分の手前に、クニュッと伸びる針金の先端が重なり、トーン的にアクセントをつけると同時に針金の影とあいまって距離感(空間)を感じさせています。非常に良く出来た構成だと思います。
針金の影の表情がまた、すごく良いですね。もちろん針金自体の描写の見事さがあってのことではありますが、紙の面の変化に沿って柔らかく繊細に変化する様子は空間の広がりを実物以上のスケールで感じさせてくれます。少しだけ見える紙の裏面の調子もきれいです。それに寄り添う、テーブルに落ちる影の調子・形も、決してでしゃばりすぎることなく、画面を引き締める役割を担ってくれています。
星が5つまでしかつけられないのが残念です。(U)
|
  |
この記事の固定リンクを表示する |
投稿者:e |
投稿日:2006/12/03 |

画像を拡大する |
いつも丁寧なご講評有難うございます。
針金とコピー用紙に再チャレンジです。
前回ご指摘頂いた点を気をつけつつ、ある程度時間を掛けて
描いてみました。
紙のしわを自然に見せるのが難しいですね。
欠点をご指摘頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。 |
 |
講評日:2006/12/05 |
丁寧に、そしてまた緻密に描かれたデッサンです。
余談ですが、投稿画像自体も、一緒に写りこんだクリップと描かれた針金がだまし絵を見ているようでとても面白く見えます。(本来ならクリップなどは写らないように撮影してもらいたいのですが・・・。)
テーブルとモチーフとの関係がしっかりと捉えられているのがとても良いですね。針金の質感も良く出ていますし、テーブル上に落ちた針金の影も効果的に描けています。紙の質感とのコントラストもなかなか良いと思います。
ただ、紙と針金が別々にセッティングされている点は少々物足りない感があります。それぞれでは十分魅力的に設定されていますし、よく描けてはいるのですが、それらが一緒に画面に描かれること、組み合わせられることによって、より強調される面白さや新たに生れる魅力、新しい発見など、モチーフ構成をした効果が十分に発揮されている感じがあまりありません。
コピー用紙はその折り目やしわも丁寧に観察・描写されています。ただ、団子のように丸めた紙のボリューム感がポイントになってはいますが、固めの布のようにみえてしまう部分や全体の質感が違うものに感じてしまいそうなもある様にも思います。
質感描写のポイントの一つに「ものの端」という要素があります。それぞれものの切断面といっても良いでしょう。例えば、同じ四角い形のものでも、端の厚みや表情(切断面)の違いで材質感が明確に出てくることがあります。同じ大きさの紙と布、ガラス、金属板などを見比べてみると、その違い・効果がよくわかると思います。
この紙の団子の場合も紙の端をまったくみえないように隠してしまっているので、そういった効果的な部分を有効に使えていない点がもったいないように思います。
こういったモチーフ構成は、こうすれば正解といったようなことや基本パターンがあるわけでもないので難しい面もありますが、逆にそこが面白いところでもあります。いろいろな要素にスポットを当てながら、自分らしさのある構成感覚を磨いていきましょう。
評価は星4つですが、限りなく星5つに近いものだと思ってください。このモチーフ構成課題での次回作を楽しみにしています。
|
  |
この記事の固定リンクを表示する |
投稿者:e |
投稿日:2006/11/05 |

画像を拡大する |
いつも丁寧なご講評有難うございます。
針金とコピー用紙を描いてみました。
もう少しきちんと描かないと、それらしく見えないな、
というのが自己評価です。
欠点をご指摘頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。
|
 |
講評日:2006/11/07 |
ポイントを明確に押えた繊細なデッサンです。
このような、なんということのない素材を使って、それを自分自身で加工してモチーフとする、というのは案外難しいものです。それぞれの素材の特性を活かしつつ、変化のあるモチーフ構成をしなくてはいけないので、手などとはまた違った意味で素材そのものをじっくりと観察することも必要になっていきます。
この課題での素材の一つは紙ですが、その薄さ、しわの寄り方、軽やかさ、シャープさ、白さ、などのいろいろな要素を、どのようにして組み立てていくか、描いたときにどのようなリズム、魅力が現れるかを、楽しみながら考えてみましょう。
eさんのモチーフは、くしゃくしゃのしわが多めの紙で、何者かがうずくまるような面白い形態をつくっています。その真ん中あたりからすっと触覚のように伸びた針金の先端がテーブルに接している、そのかすかな緊張感が画面を引き締めています。なかなか良い構成ですね。
しかし、一方ではしわが細かく全面に入っている為に、ごちゃごちゃしておおらかさに欠ける、ゆったりとしたグラデーションや大きな変化の見所がないと感じる面もあります。難しいですね。
ああでもあり、こうでもある的な言い方になってしまっていますが、これらは、どのような方針を持ってどういったことをポイントに描いていくかということと密接に関わってきます。的確な描写を伴って初めて最高のモチーフ構成となるのです。
この作品での描写に関して言えば、全体的に同じような密度での描き込みになってしまっているので、モチーフの面白さを十分に引き出しきれていないように思います。細かいしわを追いかけるのに手一杯になってしまっているのか、たくさんの線が描かれていますがメリハリが乏しく、やや紙の輪郭線が単調に見えます。また、紙の折れ方・曲がり方によって出来る陰影の表情の違いなどにも、もっと大きな変化が欲しいところです。例えば紙の形体の中に出来る影などにもテーブル上の影と変わらないくらいの濃い影・調子があっても良いでしょう。また、背景の(テーブル面でしょうか)のトーンも悪くはないのですが、中途半端な消え方(概形)をしているのであまり効果的とはいえません。きちんとテーブルの面としてその距離感やトーンの違いなどを観察して描きましょう。
白を目立たせるだけのなんとなく黒っぽいだけのトーンにならないように具体的に形・面を意識しながら描くと良いでしょう。
この課題は構成と描写を考えるには面白い良い課題だと思います。
是非いろいろな構成でチャレンジしてみてください。
|
  |
この記事の固定リンクを表示する |